「医療事務は女性の仕事というイメージがあるけれど、男でも働ける?」
「男性の医療事務は少ない?将来性や給料は大丈夫?」
そんな疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
私は42年間医療事務の現場で働き、受付やレセプト、救急受付など、さまざまな部署で働く男性スタッフを見てきました。
確かに通常の受付やレセプト業務では女性が圧倒的に多い職場でした。
しかし、救急受付では男性スタッフが多く、当直や救急患者への対応などで活躍する姿を何度も見てきました。
一方、女性が多い職場だからこその苦労や、結婚・子どもの誕生をきっかけに給料を理由として転職する男性もいました。
この記事では、42年間の現場経験から、男性医療事務の割合や仕事内容、きついと感じやすい点、辞めたい理由、そして管理職からその先へ進むキャリアまで、実際に見てきた「男性医療事務のリアル」をお伝えします。
医療事務という言葉を聞くと、病院やクリニックの受付で働く女性を思い浮かべる方が多いかもしれません。
実際、私が働いてきた医療現場でも、受付やレセプト業務では女性スタッフが圧倒的に多く、男性は少数でした。
そのため、これから医療事務を目指そうとしている男性の中には、
「男が医療事務を選ぶのはおかしいのかな?」
「女性ばかりの職場でうまくやっていけるだろうか?」
「給料が安いと聞くけれど、将来結婚して家族を養えるのだろうか?」
と不安に思う方もいるでしょう。
しかし、私は42年間の現場経験から、「医療事務は女性だけの仕事」とはまったく思っていません。
むしろ、男性スタッフが多く活躍していた部署もあります。
その代表が救急受付です。
私が経験してきた通常の受付やレセプト業務では、男性スタッフは体感で1割程度でした。
ところが救急受付では状況が大きく変わり、私が経験した職場では、逆に女性スタッフが1割程度でした。
24時間365日患者さんを受け入れる救急受付には当直勤務もあります。
救命救急となれば、重症・重体の患者さんが運ばれてくる緊迫した場面にも対応しなければなりません。
そんな医療現場を、男性の医療事務スタッフが支えている姿を私は長年見てきました。
さらに、医療事務から管理職となり、その後、人事や経営企画、医療情報などの事務局へ活躍の場を広げた男性もいます。
ですから、「男だから医療事務には将来性がない」と最初から決めてしまうのは、私はもったいないと思っています。
もちろん、良いことばかりではありません。
女性中心の職場で気を使うこともあります。
最初の給料が決して高くないこともあります。
結婚や子どもの誕生をきっかけに、収入について真剣に考える男性もいました。
この記事では、良い面だけを取り上げるのではなく、私が実際に見てきた男性医療事務の姿を、そのままお伝えしていきたいと思います。
医療事務に男は少ない?42年間現場で見てきた実情
「医療事務の男性は少ないのでしょうか?」
と聞かれたら、私の経験では、「一般的な受付やレセプト業務では、確かに少なかったです」と答えます。
42年間、さまざまな医療現場で働いてきましたが、通常の受付やレセプト業務で働く男性は、私の体感では1割程度でした。
もちろん、これは公的な統計による全国の割合ではありません。
あくまで、私が実際に働いてきた現場で感じた割合です。
それでも、長年医療事務の仕事をしてきて、「女性が圧倒的に多い仕事だった」という印象は変わりません。
受付に男性がいると珍しかった時代もありました
私が医療事務を始めたのは40年以上前です。
当時は今以上に、「医療事務=女性の仕事」というイメージが強かったように思います。
受付に立つのも女性。
会計を担当するのも女性。
レセプト業務をするのも女性。
そんな職場が珍しくありませんでした。
男性が医療事務として働いていると、それだけで少し目立つ存在だったと思います。
しかし、だからといって男性にはできない仕事だったわけではありません。
保険制度を理解する。
診療費を計算する。
レセプトを作成する。
患者さんに対応する。
医師や看護師と連携する。
こうした医療事務の仕事に、男女で本質的な違いがあるわけではありません。
実際に、男性スタッフも女性スタッフと同じように経験を積み、仕事を覚えていきました。
女性が多いからこそ男性が目立つこともありました
男性スタッフが少ない職場では、良くも悪くも目立ちます。
患者さんから顔を覚えてもらうこともありますし、医師や看護師から名前を覚えてもらうのも早かったように感じます。
また、クレーム対応などで男性スタッフにお願いする場面もありました。
これは「男性ならクレーム対応が得意」という意味ではありません。
ただ、私が経験した現場では、女性スタッフが対応している時よりも、ネクタイを着用した男性スタッフに代わることで、患者さんの口調が少し落ち着く場面が実際にありました。
そのような時には、男性スタッフがいることを心強く感じたものです。
一方で、人数が少ないからこそ、男性スタッフ自身が周囲に気を使っているように感じることもありました。
特に休憩時間など、仕事から少し離れた場面では、どうしても女性中心の環境になります。
この点については、後ほど詳しくお話しします。
救急受付では男女の割合がまったく違いました
そして、男性医療事務について考える時に、ぜひ知っていただきたいのが救急受付です。
一般的な受付やレセプト業務では、私の経験では男性は1割程度でした。
ところが救急受付では、まったく逆でした。
私が経験した救急受付では、女性スタッフの方が1割程度で、男性が中心となって働いていました。
同じ「医療事務」でも、配属される部署によって男女の構成は大きく違っていたのです。
救急受付は24時間365日体制です。
夜間も休日も患者さんが来られます。
当直勤務もあります。
そして救命救急では、重症・重体の患者さんが搬送されてくることもあります。
通常の外来受付とは違う緊張感の中で仕事をしなければならない場面も少なくありません。
そうした部署で、多くの男性医療事務スタッフが活躍していました。
「男がいないから医療事務は無理」と考えなくていい
これから医療事務を目指す男性が、求人先や病院を見て、「女性ばかりだな」と不安になることはあると思います。
確かに、部署によっては男性が非常に少ない職場もあります。
しかし、私が42年間見てきた医療現場には、男性スタッフが必要とされ、長く活躍している場所もありました。
そして大切なのは、「男性が何割いるか」より、「自分がどんな医療事務になりたいのか」ではないでしょうか。
受付やレセプトの専門性を高めたい。
救急受付で働きたい。
後輩を指導したい。
管理職になりたい。
さらにその先の仕事を目指したい。
医療事務を入口として考えれば、進める道は一つだけではありません。
「男性が少ないから、自分には無理かもしれない」と、入口で諦める必要はないと私は思っています。
42年間の中で、男性だからこそ頼りにされたスタッフも、経験を積んで責任ある立場になった男性も、私は実際に見てきたからです。
医療事務に向いているかどうかは、男性か女性かだけで決まるものではありません。
42年間、多くのスタッフを見てきて感じた「医療事務に向いている人の特徴」は、こちらの記事で詳しくお話ししています。

男性医療事務が活躍していたのは救急受付だった
「男性が医療事務として働くなら、どんな部署で活躍できますか?」
もしそう聞かれたら、私が42年間の経験から真っ先に思い浮かべるのは、救急受付です。
前の章でお伝えしたように、通常の受付やレセプト業務では、私が経験した職場の男性スタッフは体感で1割程度でした。
ところが救急受付では状況が大きく異なり、私が経験した現場では、逆に女性スタッフが1割程度でした。
つまり、救急受付は男性の医療事務スタッフが多く活躍していた部署だったのです。
同じ医療事務でも、一般の外来受付とは仕事内容も勤務時間も大きく違います。
救急受付は24時間365日患者さんを受け入れる
通常の外来であれば、基本的には診療時間が決まっています。
しかし、救急医療は違います。
夜中でも早朝でも、休日でも、救急車で患者さんが運ばれてきます。
そのため、救急受付も24時間365日の体制が必要になります。
当然、日勤だけではありません。
夜間の勤務や当直もあります。
年末年始だから救急患者さんが来ないということもありません。
ゴールデンウィークも同じです。
誰かが受付を担当しなければ、救急医療は成り立ちません。
私が経験してきた救急受付では、こうした勤務を多くの男性スタッフが支えていました。
「医療事務=昼間に受付カウンターで働く仕事」
というイメージを持っている方には、少し意外かもしれません。
しかし、これも医療事務の大切な仕事の一つです。
救命救急では通常の受付とは違う緊張感がある
救急受付には、さまざまな状態の患者さんが来られます。
特に救命救急では、重症・重体の患者さんが搬送されてくることがあります。
当然、患者さん本人だけでなく、ご家族も大きな不安を抱えています。
医師や看護師も一刻を争う対応をしています。
そんな状況の中でも、医療事務には医療事務の役割があります。
患者さんの情報を確認する。
必要な受付手続きをする。
保険情報を確認する。
ご家族へ必要な案内をする。
医師や看護師などと連携する。
状況に応じて、落ち着いて一つずつ仕事を進めなければなりません。
救急受付では、通常の外来とは違う緊張感の中で仕事をする場面もあります。
私が「業務内容がきつい」と感じてきたのは、単に忙しいという意味だけではありません。
目の前で緊急性の高い医療が行われている中で、自分の仕事を正確に行うことが求められる。
そこには精神的な負担もあります。
そのような環境の中で、男性の医療事務スタッフが長く活躍している姿を私は何人も見てきました。
当直ができる男性スタッフは職場にとって頼りになる存在だった
救急受付では、当直勤務が必要になります。
これは、一般的な外来受付との大きな違いの一つです。
もちろん、男性だから当直ができる、女性だからできないということではありません。
しかし、私が経験してきた職場では、実際に男性スタッフが当直を担当することが多く、救急受付を支える大切な存在になっていました。
これから医療事務を目指す男性には、「受付しか仕事がない」とは思ってほしくありません。
働く医療機関によっては、救急受付という選択肢もあります。
そして、夜間勤務や当直を含めた働き方ができるのであれば、男性医療事務が力を発揮できる場所の一つだと、私は長年の経験から感じています。
クレーム対応で男性スタッフに助けてもらったこともある
もう一つ、男性スタッフが頼りにされることがあったのが、患者さんからのクレーム対応です。
医療機関では、さまざまな理由で患者さんから厳しい言葉を受けることがあります。
待ち時間が長い。
診療費に納得できない。
医師の対応に不満がある。
自分が希望した診療を受けられなかった。
こうした不満が、最初に受付の医療事務へ向けられることも少なくありません。
もちろん、クレーム対応に男女の優劣があるわけではありません。
女性スタッフでも、非常に上手に患者さんへ対応できる方はたくさんいます。
ただ、私が実際に経験した中では、制服姿の女性スタッフが対応している時には強い口調だった患者さんが、ネクタイを着用した男性スタッフに代わると、少し口調が落ち着くという場面がありました。
そんな時には、「男性スタッフがいてくれて助かった」と思ったものです。
これは接遇能力とは別の話です。
同じ説明をしていても、対応する人が代わることで患者さんの反応が変わることが実際にあったという、私の現場での経験です。
男性だからこそではなく「男性も必要とされている」
ここで一つ、お伝えしておきたいことがあります。
私は、「救急受付は男性の仕事です」と言いたいわけではありません。
女性でも救急受付で活躍している方はいます。
反対に、男性でも夜間勤務や緊迫した場面が苦手な方はいるでしょう。
大切なのは性別ではなく、その人自身が仕事内容や勤務形態に合っているかどうかです。
ただ、「医療事務は女性ばかりだから、男性には居場所がない」と思っている方には、それは違うとお伝えしたいのです。
私が働いてきた医療現場には、男性スタッフが必要とされる場面が実際にありました。
救急受付。
当直。
患者さんやご家族への対応。
クレームへの対応。
さまざまな場面で、男性スタッフが医療事務の一員として職場を支えていました。
そして、そこで経験を積んだ先には、リーダーや管理職など、さらに責任ある仕事へ進んでいく道もあります。
「男なのに医療事務」ではなく、「男性も医療事務を支える大切な一員」。
私は42年間、多くのスタッフと一緒に働いてきて、そう感じています。
男性が医療事務で働くのはきつい?女性中心だからこその苦労
医療事務を目指している男性の中には、
「女性ばかりの職場でやっていけるだろうか」
「男が一人だけだったら、居づらくないだろうか」
と心配している方もいると思います。
私が42年間働いてきた医療現場でも、通常の受付やレセプト業務では女性が圧倒的に多く、男性スタッフは少数でした。
仕事そのものは男女で大きく変わりません。
しかし、少数派として女性中心の職場で働くことに、男性ならではの気疲れはあったのではないかと感じています。
実際、周囲に気を使いながら働いている男性スタッフを何人も見てきました。
仕事だけでなく職場環境も女性中心になりやすい
女性スタッフが圧倒的に多ければ、職場の環境も自然と女性中心になります。
分かりやすいのが休憩時間です。
仕事中は、患者さんへの対応や受付、会計、レセプトなど、それぞれの業務があります。
ところが休憩時間になると、仕事とは少し違った人間関係が見えてきます。
休憩室に入っても周りは女性ばかり。
そこで男性が一人、あるいは数人ということもありました。
女性スタッフ同士なら何気なくできる会話でも、男性スタッフは、
「この話に入ってもいいのかな」
「どこまで話せばいいのかな」
と考えることがあったのではないでしょうか。
もちろん、女性が多いから男性が仲間外れになるという意味ではありません。
一緒に楽しく働いていた職場もたくさんあります。
ただ、自分と同性の仲間が少ない環境は、それだけで気を使うことがあると思います。
これは男性医療事務が感じやすい苦労の一つではないでしょうか。
コミュニケーションに気を使っている男性もいました
医療事務は、コミュニケーションがとても大切な仕事です。
患者さんだけではありません。
同僚。
医師。
看護師。
その他の医療スタッフ。
毎日、多くの人と関わります。
特に同じ部署のスタッフとは、一日の大半を一緒に過ごします。
女性ばかりの中に男性が一人入ると、男性スタッフ自身が必要以上に気を使ってしまうこともありました。
言葉遣い。
話題。
距離感。
冗談の言い方。
本人は何も悪いことをしていなくても、「変なふうに受け取られないようにしよう」と考えながら接しているように見えることもありました。
私は管理職として、そうした男性スタッフを見て、「大変だろうな」と思ったことがあります。
仕事を覚えるだけでも新人時代は大変です。
そこに人間関係への気遣いまで加われば、疲れてしまうこともあるでしょう。
男性だからコミュニケーションが難しいわけではない
ただし、「男性は女性の多い職場になじめない」と決めつける必要はありません。
実際には、女性スタッフと自然にコミュニケーションを取り、長く働いている男性もたくさんいました。
大切なのは、男性か女性かということよりも、
挨拶をする。
人の話を聞く。
困っている人がいたら手伝う。
分からないことは確認する。
相手によって態度を変えない。
こうした基本的なことだと思います。
これは、これまでの記事でも何度もお伝えしてきました。
医療事務で長く働く人にとって、コミュニケーション能力はとても大切です。
そして、それは男性スタッフも女性スタッフも変わりません。
最初は女性ばかりの職場に戸惑っていた男性でも、仕事を覚え、周囲との信頼関係ができてくると、自然に職場の一員になっていきます。
患者さんや医師、看護師から頼られるようになれば、自信もついてきます。
「男が少ない」ということだけを理由に、医療事務を諦める必要はないと思います。
男性・女性にかかわらず、医療事務を長く続けるうえで人間関係に悩むことはあります。
同僚や医師、看護師との人間関係について、管理職として実際に受けてきた相談はこちらの記事にまとめています。

男性が少ないことが、逆に強みになる場合もある
少数派であることは、悪いことばかりではありません。
前の章でもお話ししたように、男性スタッフが少ないからこそ、頼りにされる場面もありました。
救急受付。
当直。
クレーム対応。
そして、将来的にはリーダーや管理職。
もちろん、これらを「男性だから任せるべき」と考えているわけではありません。
ただ、職場にさまざまな人がいることは、私は良いことだと思っています。
女性だけ。
男性だけ。
同じ年代だけ。
同じような考え方の人だけ。
そんな職場よりも、いろいろな人がいて、それぞれの得意な部分を生かしながら助け合える方が、職場としても強くなります。
男性スタッフがいることで、患者さんへの対応の選択肢が増えることもあります。
男性患者さんの中には、男性スタッフの方が話しやすいと感じる方もいるでしょう。
だから私は、男性が少ないことを「不利」とだけ考える必要はないと思っています。
「きつい」と感じる原因が性別とは限らない
男性スタッフが医療事務を辞めたいと思った時、「やっぱり女性ばかりだから続かなかったのかな」と思われるかもしれません。
しかし、私が実際に見てきた男性スタッフについては、必ずしもそうではありませんでした。
むしろ、退職を考える大きなきっかけになっていたのは、経済的な問題です。
独身の頃は今の給料で生活できていた。
でも、結婚することになった。
子どもが生まれた。
これから家族を支えていかなければならない。
そうなった時、「この給料のままで大丈夫だろうか」と将来を考えるようになります。
そして、より高い収入を求めて転職する男性を私は何人も見てきました。
つまり、「男性に医療事務はきつい=女性が多いから」と単純には言えないのです。
人間関係よりも、収入や将来の生活を考えて辞める男性もいました。
これは、男性医療事務の将来を考えるうえで避けて通れない問題だと思います。
そして同時に、「では、医療事務の男性は給料が低いままで、将来性もないのか」という次の疑問にもつながります。
私は、そうは思っていません。
医療事務から管理職へ進み、さらにその先の仕事へ進んでいった男性を実際に見てきたからです。
男性医療事務が「辞めたい」と思う大きな理由は給料だった
42年間医療事務の現場で働いていると、男性スタッフから「辞めたい」という話を聞くこともありました。
もちろん、退職理由は人それぞれです。
仕事が合わない。
人間関係に悩んでいる。
別の仕事をしてみたい。
さまざまな理由があります。
しかし、私が実際に見てきた男性スタッフの場合、特に印象に残っているのが給料を含めた経済的な理由です。
そして、そのことを真剣に考えるきっかけになっていたのが、結婚や子どもの誕生でした。
結婚をきっかけに給料について考える男性がいました
独身の頃は、「今の給料でも生活できる」と思って働いていた男性スタッフが、結婚が決まると将来について考えるようになります。
自分一人の生活だけではありません。
住居費。
生活費。
将来の貯蓄。
そして、これから子どもを持つことも考えるでしょう。
そうなると、「このままの給料で家族を支えていけるのだろうか」という不安が出てきます。
実際に、結婚を機に転職を考える男性スタッフを私は見てきました。
医療事務の仕事が嫌いになったわけではありません。
職場の人間関係が悪かったわけでもありません。
ただ、「もっと収入を増やしたい」という、とても現実的な理由でした。
私は、その気持ちを否定したことはありません。
生活のために働いているのですから、収入を大切に考えるのは当然だからです。
子どもが生まれると将来への不安はさらに大きくなる
子どもの誕生も、大きな転機です。
家族が増えれば、当然支出も増えていきます。
そして、今必要なお金だけではありません。
「これから教育費も必要になる」
「家族を養っていかなければならない」
と、何年も先のことまで考えるようになります。
そんな時、
「今は何とか生活できている」
だけではなく、
「5年後、10年後もこの収入で大丈夫だろうか」
と考えるのは自然なことだと思います。
私が見てきた男性スタッフの中にも、子どもが生まれたことをきっかけに、より収入の高い仕事へ転職した方がいました。
それを見て、「せっかく仕事を覚えたのにもったいない」と思うことはありました。
管理職としては、できれば長く一緒に働いてほしい。
それが本音です。
でも、その人にはその人の人生があります。
家族の生活もあります。
ですから私は、無理に引き止めることはしませんでした。
「給料が安いから辞めたい」は悪い理由ではない
これは男性だけに限ったことではありません。
私は長年、スタッフから給料について相談を受けてきましたが、
「給料が安いから辞めたい」という理由を悪いと思ったことはありません。
仕事にはやりがいも大切です。
患者さんから「ありがとう」と言っていただければ、本当にうれしいものです。
医師や看護師から頼りにされることも、仕事を続ける励みになります。
でも、やりがいだけで生活することはできません。
私たちはボランティアで働いているのではなく、生活するためにお給料を得て働いています。
だから、給料を重視して転職を考えることは決しておかしなことではありません。
ただ私は、「今の給料だけで、医療事務の将来まで決めてしまうのは少し待ってほしい」とも思っています。
転職する前に「この先の収入」も確認してほしい
医療事務を始めたばかりの頃は、決して給料が高くないことがあります。
しかし、そこから先は全員が同じではありません。
経験を積む。
資格を取得する。
できる仕事を増やす。
後輩を指導する。
リーダーになる。
管理職になる。
勤務先によって制度は異なりますが、こうした経験や役割が評価につながる場合があります。
ですから、給料を理由に辞めようと思った時には、「今いくらもらっているか」だけではなく、「この職場で5年後、自分はどこまで行けるのか」も一度確認してほしいと思います。
役職を目指せるのか。
昇給制度はどうなっているのか。
資格手当はあるのか。
経験によって評価が変わるのか。
将来の道が見える職場なら、今すぐ辞める以外の選択肢が見つかるかもしれません。
反対に、どれだけ頑張っても自分が必要とする収入に届かないのであれば、より良い条件の職場を探すことも一つの選択です。
医療事務の給料については、経験や資格、役職、働き方によって変わる場合があります。
42年間の現場で実際に見てきた給料の変化や、正社員・パートの働き方については、こちらの記事で詳しくお話ししています。

男性だからこそ「その先」を考えてほしい
男性スタッフから給料を理由に退職の相談を受けた時、私は「仕方がない」と思う一方で、残念にも感じていました。
なぜなら、もう少し先まで続ければ、違う道が見えてきたかもしれないと思うことがあったからです。
私は若い男性スタッフには、できれば管理職を目指してほしいと伝えてきました。
医療事務として経験を積み、スタッフをまとめる立場になる。
そして、その先へ進む。
実際に私は、医療事務から管理職になり、さらに人事・経営企画・医療情報など、事務局の仕事へ活躍の場を広げていった男性も見てきました。
医療事務として就職したからといって、一生受付やレセプトだけをするとは限りません。
医療事務は、病院で働くための入口になることもある。
これは、長年現場を見てきた私が、若い男性にぜひ知ってほしいことです。
「今の給料が安いから辞めたい」
そう思う気持ちは否定しません。
でも辞める前に、「この仕事を続けた先に、どんな道があるのだろう」と、一度考えてみてほしいと思っています。
男性の医療事務には将来性がない?管理職から先の道もある
「男性が医療事務を続けても、将来性はあるのでしょうか?」
これは、これから医療事務を目指す男性にとって、とても気になることだと思います。
特に、最初の給料がそれほど高くなければ、
「このまま何年働いても給料は上がらないのでは?」
「結婚して家族を持った時に生活できるだろうか?」
「ずっと受付やレセプトをすることになるのだろうか?」
と不安になるのも当然です。
私は42年間医療事務の現場で働き、20年以上管理職としてスタッフを見てきました。
その経験から言うと、医療事務として就職した時の仕事内容や給料だけを見て、将来性がないと決めつける必要はないと思っています。
なぜなら、医療事務をスタート地点として、その先へ進んでいった男性スタッフを実際に見てきたからです。
男性には管理職を目指してほしいと伝えてきました
若い男性スタッフには、私はよく、「できれば管理職を目指してください。」と伝えてきました。
もちろん、男性だから管理職にならなければならないという意味ではありません。
受付やレセプトの仕事を極めることも、立派なキャリアです。
ただ、給料や将来について不安を感じているのであれば、目の前の仕事だけを見るのではなく、その先の役割を目指すことも選択肢の一つだと思うのです。
管理職になるためには、医療事務の知識だけがあればいいわけではありません。
自分の仕事をきちんとする。
周囲の状況を見る。
新人を育てる。
スタッフから相談を受ける。
問題が起きれば対応する。
医療機関側との調整をする。
少しずつ責任の範囲が広がっていきます。
「自分の仕事ができる人」から、
「周りの人を支えられる人」
になることが求められます。
こうした経験は、医療事務だけに通用するものではありません。
その後のキャリアにも生かせる力になります。
医療事務から事務局へ進んだ男性もいました
私が実際に見てきた中には、医療事務として経験を積み、管理職になった後、さらに活躍の場を広げていった男性もいました。
例えば、
人事。
経営企画。
医療情報。
といった事務局の仕事です。
医療事務として入職した時には、そこまで考えていなかった方もいたと思います。
しかし、現場で経験を積むことで、病院という組織がどのように動いているのかが少しずつ見えるようになります。
患者さんへの対応だけではありません。
医師や看護師などとの連携。
診療報酬。
スタッフの育成。
医療機関の収益。
業務改善。
こうしたことに関わっていく中で、次の仕事につながる力も身についていきます。
だから私は、「医療事務として入ったら、一生受付や会計だけ」とは考えていません。
医療事務は、病院で働くキャリアの入口になることもあるのです。
最初の給料だけで将来を判断するのはもったいない
もちろん、現実的に給料は大切です。
前の章でもお話ししたように、結婚や子どもの誕生をきっかけに、収入を理由として転職した男性スタッフもいました。
私はその選択を否定しません。
家族の生活がありますから、必要な収入を得られる仕事を選ぶことは大切です。
ただ、「今の給料が安い」という理由だけで、「医療事務には将来性がない」と判断してしまうのは、もったいないとも思っています。
まず、自分の職場にはどんなキャリアがあるのかを確認してみる。
リーダーを目指せるのか。
管理職を目指せるのか。
昇給の仕組みはどうなっているのか。
医療事務以外の部署へ進む可能性はあるのか。
同じ医療機関で働いている先輩たちが、どのようなキャリアを歩んでいるのかを見るのも参考になります。
そのうえで、「ここでは自分の希望する将来を描けない」と判断したのであれば、転職を考えてもいいと思います。
大切なのは、今だけではなく、その先まで見て判断することです。
男性が少ないことを弱みにしなくてもいい
一般的な受付やレセプト業務では、男性スタッフが少ない職場もあります。
女性ばかりの環境に気を使うこともあるでしょう。
最初は居心地の悪さを感じる方もいるかもしれません。
でも、私は42年間の中で、男性スタッフが頼りにされる場面もたくさん見てきました。
救急受付で働く。
当直を担当する。
患者さんへの対応で頼りにされる。
後輩を育てる。
スタッフをまとめる。
管理職になる。
さらに事務局へ進む。
そう考えると、「男性が少ない」ということだけで医療事務を諦める必要はありません。
大切なのは、そこで何を経験し、次にどうつなげていくかだと思います。
管理職やその先のキャリアを目指すためにも、まずは日々の仕事を積み重ねることが大切です。
42年間の経験から感じた「医療事務で長く働く人の共通点」は、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

現場で感じたこと
もし今、若い男性から、
「医療事務に就職しようと思っています。でも、男でも大丈夫でしょうか?」
と相談されたら、私は、
「もちろん大丈夫です。ぜひ頑張ってください。」
と答えます。
ただし、良いことばかりを伝えるつもりもありません。
最初から高い給料を期待できるとは限りません。
女性が多い職場では、男性だからこそ気を使うこともあるでしょう。
救急受付や当直など、勤務によっては大変な仕事もあります。
それでも、私は男性スタッフには、できればその先まで目指してほしいと思っています。
受付ができるようになったら、次の仕事を覚える。
レセプトができるようになったら、新人を教えられるようになる。
周囲から信頼されるようになったら、リーダーを目指す。
そして、やる気があるなら管理職を目指す。
その先には、さらに違う仕事が見えてくるかもしれません。
実際に私は、医療事務から管理職となり、人事や経営企画、医療情報などの事務局へ進んだ男性を見てきました。
だから、「男が医療事務をしても将来性がない」と最初から決めつけないでほしいのです。
医療事務を最終地点にする必要もありません。
医療事務を、自分のキャリアのスタート地点にすることもできます。
もちろん、全員が管理職を目指す必要はありません。
転職という選択をする人がいてもいいと思います。
でも、せっかく医療事務という仕事を選んだのであれば、目の前の給料や「男性が少ない」ということだけを見るのではなく、
「この経験を使って、5年後、10年後に自分はどんな仕事をしていたいのか」
まで考えてみてほしいと思います。
42年間、さまざまなスタッフの成長を見てきた私は、男性医療事務にも、その先へ進める道はあると感じています。
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男性・女性にかかわらず、医療事務を長く続けるには、給料や人間関係、今後のキャリアについて悩むこともあります。42年間の現場経験をもとに、こちらの記事でも詳しくお話ししています。




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